昨日から今日にかけて、好きな漫画・本・小説・映画・ゲームのリストをChatGPTに渡して、その上で僕の嗜好を分析・評価してもらった。
それらは個別の項目に関して行ってもらったのだけれども、それぞれを通じて分析・評価してもらったのが以下。
なんでこれを公開するのか、というのは自分でもあんまり分かってないけれどもまぁ勢いでひょいっと。
念のため書いておくと、僕は以下の分析全てに賛同しているわけではなく、対話を重ねて品質を上げたわけでもなく、ポン出しの出力をそのまま貼ったものです。
つまり、これは間違いを含む可能性もおおいにあり、僕の嗜好・考えを代表するものではない、ということです。
結論
全リストと追加フィードバックを統合すると、あなたの嗜好は、単純な「頭を使う作品が好き」「重い作品が好き」「人間ドラマが好き」といった分類には収まりません。
最も中核にあるのは、次の評価姿勢です。
作品内部の因果関係やルールが強固であり、その構造の中で、人物やプレイヤーが自律的に動き、選択の結果が具体的に蓄積されること。
そのうえで、作品を経験した後に、現実、人間、社会、技術、努力、愛、自由などの見方が更新されることを高く評価しています。
反対に、作者が先に決めた結論、感動、社会的メッセージ、劇的展開のために、人物や設定が動員されているように見えると、評価が大きく下がります。
最も簡潔に表現するなら、あなたは、**「作者が作った答えを受け取る作品」よりも、「強い構造の中から、自分で意味や答えを発見できる作品」**を好んでいます。
ただし、その「発見」は知的理解だけではありません。
『キッチン』『TSUGUMI』『智恵子抄』『青野くんに触りたいから死にたい』などから分かるように、論理へ完全に還元できない感情や人間の存在感も、非常に重要です。
したがって、より正確には、次のようになります。
構造を理解したい一方で、人間が構造だけでは説明し切れないことも失いたくない。
これが、全媒体に通じる最も本質的な特徴だと考えます。
分析上の注意点
今回のデータはかなり豊富ですが、統計的に統制されたものではありません。
漫画、本、小説、ゲームは主に好評価作品が提示されています。
映画だけは3.0以下の作品も提示されているため、評価を下げる条件を比較的明確に分析できます。
また、「シリーズ」を一項目としている場合と、単独作品を一項目としている場合があります。
評価時期、年齢、当時の環境、思い出、原作を先に知っていたかどうかも影響します。
したがって、以下では、単純な作品数ではなく、複数媒体に繰り返し表れている傾向と、あなたが明示した評価理由を重視しています。
1.最も強い評価軸は「因果関係の整合性」です
これは、ほぼすべての媒体に共通しています。
漫画では、キャラクターが展開の都合で動かされることを強く嫌っています。
『ちはやふる』については、途中から「ご都合主義のキャラを毀損する展開」が増えたと評価しています。
これは、単に好きな人物が不幸になったことへの不満ではありません。
それまでに構築された人格や関係性と、その後の行動が接続していないことへの批判です。
映画でも同様です。
『サマーウォーズ』『天使のくれた時間』『ダークナイト ライジング』などへの低評価は、テーマやジャンルへの拒否というより、作品が目指す結論に対して、人物、設定、技術、展開の接続が不自然に見えた可能性が高いです。
ノンフィクションでは、『失敗の本質』『ザ・ゴール』『ストーリーとしての競争戦略』を高く評価しています。
これらは、結果を個別の精神論や成功者の能力だけで説明せず、複数の要素がどう連鎖して結果を生むかを示します。
ゲームでは、『Factorio』『Slay the Spire』『カルドセプト』『MTGアリーナ』が最高評価です。
これらでは、プレイヤーの構築や判断が、比較的明瞭な因果関係として結果へ返ります。
つまりあなたは、作品の出来事を「そういう展開だから」で受け入れるのではなく、常に次を見ています。
その人物がそう判断する理由はあるか。
その結果を生む条件は積み上がっていたか。
その成功や失敗を、後から説明できるか。
作品内のルールは一貫しているか。
これは単なるリアリティ志向ではありません。
ファンタジー、SF、超能力、ゲーム的世界も広く好んでいます。
必要なのは現実と同じであることではなく、作品が自ら提示したルールと人物像に忠実であることです。
2.人物やプレイヤーの「自律性」を重視しています
あなたは、作者にとって都合のよい人物より、作者の意図からはみ出して見える人物を高く評価します。
『カラマーゾフの兄弟』には、信仰、理性、情念、懐疑など、互いに両立しない立場があります。
誰か一人が作品の正解を代表するわけではありません。
『違国日記』『来世ではちゃんとします』『青野くんに触りたいから死にたい』にも、作者の教訓へきれいに収まらない人物がいます。
人物には矛盾や自己欺瞞があり、その矛盾を解消するためだけに物語が進むわけでもありません。
『セッション』も同様です。
主人公と指導者の関係を、成功、虐待、教育、共犯関係のいずれか一つへ完全には整理できません。
あなたは善良な人物や正しい行動を嫌っているわけではありません。
人物が「善良さを示すため」「読者を感動させるため」「テーマを説明するため」に存在していると感じると、評価が下がります。
この意味で、あなたの作品評価には、人物の人格権に近い感覚があります。
登場人物は作者の所有物ではあるものの、いったん人格が構築された以上、作者もそれを恣意的に変更してはならないという見方です。
ゲームでも同じ傾向が別の形で現れています。
プレイヤーが開発者の想定した手順を再現するだけではなく、自分でデッキ、工場、攻略法、移動経路を作れる作品を最高評価しています。
人物に対してもプレイヤーに対しても、作品内で実質的な裁量が認められていることを好んでいると言えます。
3.「変化の結果」より「変化が生まれる過程」を重視しています
あなたは、完成した状態を提示する作品よりも、その状態がどのように形成されたかを描く作品に強く反応します。
『動物農場』が最高評価で、『一九八四年』『すばらしい新世界』が次点であることは象徴的です。
後者二作は、すでに完成した支配体制の中へ人物を置きます。
一方、『動物農場』は、理想、革命、権力集中、言語操作、歴史改変を経て、支配体制が形成される過程を描きます。
『失敗の本質』も、失敗したという結論ではなく、なぜ組織が修正不能になったのかを分析します。
スポーツ・芸術漫画でも、勝利や成功だけでなく、技能、認知、身体、指導、環境がどう変わったかを重視しています。
『capeta』『メダリスト』『ブルーピリオド』『SLAM DUNK』が最高評価にあるのは、努力を美徳として扱うからではありません。
努力が具体的に何を変えたかを描いているからです。
ゲームでも同じです。
『Factorio』は完成した工場を眺めるゲームというより、問題を発見し、供給量や配置を変更し、構造を改善する過程が中心です。
『Slay the Spire』も、完成済みの最強デッキを使うのではなく、その場で与えられた条件からデッキを形成します。
あなたが重視しているのは、成功、腐敗、成長、愛、破滅といった状態そのものではありません。
その状態へ移行した機序が、作品内で見えることです。
4.選択には「代償」と「不可逆性」が必要です
あなたの高評価作品には、行動の結果を簡単に取り消さないものが多くあります。
『最終兵器彼女』『進撃の巨人』『狂四郎2030』『宝石の国』『青野くんに触りたいから死にたい』などでは、死、身体の変化、関係の破壊、思想の変質が、なかったことにはなりません。
『キッチン』『TSUGUMI』『智恵子抄』も、喪失から立ち直ることを描いていても、失われたものが回復するわけではありません。
『ラ・ラ・ランド』『ルックバック』『セッション』なども、何かを選ぶことによって、別の可能性が失われます。
ゲームでは、短期的な選択が長期的な状況を変える作品を好んでいます。
カードを取ることは、他のカードの価値を変えます。
資源を特定の設備へ投入すれば、別の用途には使えません。
現在の安全を取るか、将来の成長を取るかを選びます。
あなたは、選択肢が多いこと自体より、選択した結果、別の可能性が閉じることを評価しています。
逆に、重大な選択のように演出されたものが、後から都合よく撤回されたり、影響を残さなかったりすると、作品の重みを感じにくいはずです。
5.「説明できる構造」と「説明できない余白」の両方を求めています
一見すると、あなたはかなり強い構造志向、合理志向に見えます。
『ファスト&スロー』『影響力の武器』『ブラック・スワン』『反脆弱性』『ザ・ゴール』など、現象を説明するモデルを提示する本を高く評価しています。
ゲームでも、ルールを理解し、因果関係へ介入できる作品が中心です。
しかし、これだけでは『キッチン』『TSUGUMI』『智恵子抄』『違国日記』『青野くん』などを説明できません。
これらは、人間の感情を明瞭なモデルへ圧縮する作品ではありません。
むしろ、愛、喪失、病、依存、他者理解には、最後まで説明し切れない部分があることを描きます。
したがって、あなたは何でも構造化したいわけではありません。
構造化できるものについては、高い解像度で構造化してほしい。
しかし、構造化できない人間の部分を、無理に教訓や診断名へ回収してほしくない。
この二つを同時に求めています。
ノンフィクションでは、世界を理解するための圧縮率の高いモデルを求めます。
文学では、要約によって失われるものが大きい作品を求めます。
ブログに書かれた「しょうもない新書を読むのであれば、名著と呼ばれる小説を読みたい」という方針も、ここにつながります。
一般的な新書やビジネス書は、中心命題を理解すれば、価値の多くを回収できる場合があります。
一方、優れた小説は、要約だけでは作品の価値を回収できません。
現在のあなたは、読書時間を次の二種類へ集中させたいのだと考えられます。
極めて高い説明力を持つ本。
説明や要約では代替できない文学。
その中間にある、既知の概念を薄く再包装した本への関心が低下しているのでしょう。
6.感動を嫌うのではなく、「感情の指定」を嫌っています
これは、今回の全データの中でも重要な区別です。
あなたは『ショーシャンクの空に』『天使にラブ・ソングを…』『キッチン』『TSUGUMI』『最終兵器彼女』『四月は君の嘘』など、感情を強く動かす作品を多数評価しています。
したがって、感動作や温かい作品が苦手なのではありません。
一方で、『3月のライオン』には「いい話にしよう感」が強いと感じています。
映画でも、『天使のくれた時間』『最高の人生の見つけ方』『きみと、波にのれたら』などは低めの評価です。
違いは、作品が感情を生み出す順序です。
高評価作品では、人物の行動、時間、関係、失敗、喪失が先にあります。
感情は、その結果として観客や読者の中に生まれます。
低評価作品では、「ここで人生の大切さを感じる」「ここで家族愛に感動する」といった到達点が先にあり、そこへ人物や出来事が配置されているように見えるのだと思います。
つまり、あなたは感情の強度よりも、感情の発生過程の正当性を見ています。
感動を受け取りたいのではなく、作品を最後まで見た結果として、自分の中に感情が発生することを求めています。
7.作者の意図が見えること自体ではなく、意図のために作品が壊れることを嫌っています
すべての作品は作者によって設計されています。
『メメント』『セッション』『動物農場』『プラットフォーム』なども、非常に意図的な作品です。
したがって、あなたは作者の作為そのものを嫌っているわけではありません。
問題は、設計意図と作品内部の自然さが衝突したときです。
作者が社会問題を訴えたい。
読者を泣かせたい。
続編を作りたい。
意外な展開を入れたい。
特定の人物を成長させたい。
こうした目的のために、人物、ルール、世界設定が犠牲になると、作者の手が前面に見えます。
一方、『メメント』は極めて人工的な時系列構造を持ちますが、それが主人公の記憶と自己欺瞞を観客に体験させるために機能しています。
『セッション』の編集や音響も強く設計されていますが、人物の執着と完全に結びついています。
あなたが求めているのは自然主義ではありません。
設計が強くても、その設計が作品内部の必然性として感じられることです。
8.複雑さそのものではなく、「生産的な複雑さ」を好んでいます
あなたの好きな作品には、複雑なものが多くあります。
『HUNTER×HUNTER』
『カラマーゾフの兄弟』
『ブラック・スワン』
『Factorio』
『MTG』
『Civilization VI』
『メメント』
しかし、難解さや情報量だけを評価しているわけではありません。
『ドグラ・マグラ』は面白かったものの最高評価ではありません。
『CUBE』も設定は明快かつ抽象的ですが2.5です。
『ワールドトリガー』も戦術構造は精密ですが、順位戦の長期化に停滞を感じています。
あなたが好む複雑さには、次の条件があります。
複数の要素が実際に相互作用していること。
理解することで、別の現象まで見えるようになること。
複雑さが人物、主題、判断へつながっていること。
複雑さを理解した後にも、新しい問題が残ること。
反対に、難解さが形式上のパズルにとどまる場合や、情報量が増えても状況が更新されない場合は、知的には楽しめても最高評価には上がりにくいようです。
9.「新しさ」は表面的な奇抜さではなく、認識や構造の新しさです
あなたは、奇抜な設定や衝撃的な題材だけでは評価しません。
『ジョーカー』『ミッドサマー』『CUBE』『シザーハンズ』などは、強い設定や映像的個性がありますが、最高評価ではありません。
一方で、『サチ録』『放課後ひみつクラブ』『位置原光Z作品』『小生物語』など、認知や会話の前提をずらす作品を評価しています。
ゲームでも、『INSCRYPTION』の形式的発明は評価していますが、長期的なシステム深度を持つ『Slay the Spire』ほどではありません。
ここから、あなたが求める新しさは、外見上の奇抜さではなく、次のようなものだと考えられます。
これまで別々に見えていた現象を一つの原理で見せる。
既知のジャンルに、新しい相互作用を導入する。
人物の感情を、既存の道徳的分類とは異なる角度から描く。
媒体のルール自体を、作品の内容に組み込む。
つまり、見たことのない題材より、見慣れたものを別の構造で理解させる作品に強く反応します。
10.静的な完成度より、局面が更新され続けることを重視します
漫画で『ワールドトリガー』の順位戦が長すぎると感じたこと。
『ザ・ファブル』がシリーズを重ねるごとに魅力を失ったと感じたこと。
『ハングオーバー』第2作が第1作の構造を反復したため評価が下がり、第3作では多少回復したこと。
『プラットフォーム2』が第1作より下がっていること。
これらから、あなたは同じ魅力の再演に厳しいことが分かります。
ただし、ゲームでは『Slay the Spire』『MTG』『カルドセプト』『Factorio』を長期間繰り返し楽しんでいます。
これは矛盾ではありません。
物語作品における反復は、既知の感情や展開を再度提示します。
システムゲームにおける反復は、同じルールから新しい盤面、新しい判断、新しい失敗を生みます。
あなたが嫌うのは反復ではありません。
認識や判断が更新されない反復です。
そのため、長期連載や続編では、単に規模を大きくするだけでなく、作品の前提、人物の立場、対立構造を更新する必要があります。
ゲームでは、プレイごとに新しい問題が生成される限り、同じルールを何度使っても楽しめます。
11.媒体ごとに「その媒体でしか得られない価値」を求めています
全媒体を同じ評価基準だけで見ているわけではありません。
共通する基準を持ちながら、媒体固有の価値も評価しています。
ノンフィクション
ノンフィクションには、現実を再解釈できるモデルを求めています。
高評価につながるのは、単なる知識量ではありません。
少数の概念によって、多数の現象を説明できることです。
さらに、別の場面にも転用できる必要があります。
『反脆弱性』『影響力の武器』『ザ・ゴール』『ストーリーとしての競争戦略』などが該当します。
逆に、既知の原理の再包装や、事例だけを大量に並べた本には、限界効用を感じにくくなっています。
漫画
漫画には、人物と展開の長期的な蓄積を求めています。
技能の形成。
関係性の変化。
人物の矛盾。
選択の不可逆性。
長期連載だからこそ成立する人物の変化を評価します。
一方で、連載を続けるために同じ構造を反復したり、展開のために人物を毀損したりすることには厳しいです。
小説・文学
小説には、構造的な理解だけでなく、要約できない感情、文体、多声性を求めています。
明確な教訓より、複数の価値観が同時に存在することを好みます。
『カラマーゾフの兄弟』『金閣寺』『キッチン』『TSUGUMI』などは、それぞれ異なる方向から、この条件を満たしています。
小説については、完全に理解できることより、読み終わっても解釈が残ることを評価します。
映画
映画には、編集、音、映像、空間、演技が、物語の内容と一体化していることを求めます。
『メメント』の構成。
『セッション』の演奏と編集。
『シャイニング』の空間と音響。
『BLUE GIANT』の実際の演奏。
脚本の内容だけではなく、その内容を映画として経験させる形式が重要です。
雰囲気や映像美だけでは足りません。
演出が人物の認識や選択を強化する必要があります。
ゲーム
ゲームには、自分の判断が結果へ返ってくることを求めます。
ルールを理解する。
構築する。
試す。
失敗する。
修正する。
この循環が深いほど評価が上がります。
ストーリーも重要ですが、全作品共通の必須条件ではありません。
ゼルダ両作では、システム、探索、世界、物語が統合されていたことが最高評価につながっています。
一方、『Factorio』『MTG』『Slay the Spire』は、物語が中心でなくても、システムだけで最高評価に達しています。
12.あなたの最高評価には、二つの異なる経路があります
全作品を無理に一つの型へ統合すると、精度が落ちます。
実際には、最高評価へ至る経路は大きく二つあります。
経路A:認識・構造更新型
現実やゲームシステムを見るための、新しいモデルを与える作品です。
『サピエンス全史』
『ブラック・スワン』
『反脆弱性』
『失敗の本質』
『ザ・ゴール』
『HUNTER×HUNTER』
『メメント』
『カルドセプト』
『Slay the Spire』
『Factorio』
これらでは、複数の現象や要素の関係が見えるようになります。
読後やプレイ後に、同じ世界を以前と違う構造で認識できることが重要です。
経路B:人間経験・感情更新型
人間の感情、関係、喪失、愛、美などを、要約できない形で経験させる作品です。
『キッチン』
『TSUGUMI』
『智恵子抄』
『違国日記』
『青野くんに触りたいから死にたい』
『最終兵器彼女』
『セッション』
『ショーシャンクの空に』
これらでは、明快な理論を獲得するわけではありません。
しかし、人間を見るときの感情的・倫理的な解像度が変わります。
そして、特に強い作品では、二つの経路が統合されます。
『カラマーゾフの兄弟』は、人間や宗教についての思想的構造と、理論に収まらない人物を併せ持ちます。
『進撃の巨人』は、歴史、国家、自由、暴力の構造と、人物の個人的な欲望を併せ持ちます。
ゼルダ両作は、自由なシステムと人物・世界の物語を併せ持ちます。
ただし、統合されていなければ最高評価にならないわけではありません。
片方が極めて強ければ、それだけでも最高評価になります。
13.「知的」「暗い」「難しい」は、本質的な好みではありません
高評価作品には重く難しい作品が多いですが、それ自体が条件ではありません。
『サチ録』
『高校生家族』
『天使にラブ・ソングを…』
『ハングオーバー!』
『マスク』
『HUMAN Fall Flat』
『桃太郎電鉄』
など、軽快で娯楽性の高い作品も評価しています。
したがって、深刻さや高尚さを求めているわけではありません。
逆に、社会的に重要なテーマや高い芸術性を持つと評価されている作品でも、自動的には高く評価しません。
『英国王のスピーチ』
『ロッキー』
『ローマの休日』
『この世界の片隅に』
『万引き家族』
『ジョーカー』
などは3.0です。
あなたは作品の格、知名度、受賞歴、社会的意義と、自分の評価を比較的分離できています。
高評価の条件は、「重要なことを扱っている」ではありません。
扱っているものを、作品内部でどこまで正確に成立させているかです。
14.評価を上げる要素と下げる要素
全データを統合すると、概ね次のようになります。
| 評価を上げる要素 | 評価を下げる要素 |
|---|---|
| 人物やルールの内的整合性 | 展開都合による人格・ルールの変更 |
| 結果へ至る具体的な因果関係 | 結論や感動を先に決めた配置 |
| 複数要素の相互作用 | 強い設定だけで展開が深まらない |
| 人物・読者・プレイヤーの自律性 | 作者が解釈や感情を指定する |
| 選択の代償と不可逆性 | 重大な出来事が簡単に帳消しになる |
| 局面や認識が更新されること | 同じ構造や魅力の反復 |
| 媒体固有の表現 | 他媒体の表現を移植しただけの作品 |
| 理論と具体例の往復 | 抽象論だけ、または事例だけ |
| 娯楽性と思想性の両立 | 主張の正しさだけに依存する |
| 要約後にも価値が残ること | 中心命題を知ればほぼ代替できる |
| 失敗や矛盾を残す誠実さ | 安易な救済や道徳的整理 |
| 理解によって可能性が増えること | 複雑だが判断や発見につながらない |
15.あなたの評価における「高評価」「そこそこ」「低評価」の違い
最高評価
最高評価作品は、単に完成度が高いだけではありません。
作品の中心的な仕組みや人物が、その後のあなたの認識や基準に残っています。
別の作品、現実の出来事、仕事、人間関係を考えるときにも参照できます。
または、要約できない感情的経験として、長く残ります。
つまり、最高評価とは、作品の外へ持ち出せるものがある状態です。
それは理論、概念、判断方法の場合もあります。
人物、場面、感情、言葉の場合もあります。
「わりとすき」「3.5〜4.0」
一定以上面白く、技術的な長所も明確です。
しかし、その作品でしか得られない認識や感情が、最高評価作品ほど強く残らなかった状態です。
特定ジャンルとして完成度が高い。
一度の体験として面白い。
人物や演出に魅力がある。
ただし、世界の見え方や自分の評価基準までは変えない。
このような作品が該当します。
3.0前後
作品の長所や世間的評価は理解できても、自分への作用が弱かった状態です。
必ずしも低品質と見なしているわけではありません。
王道的に完成しているが予想の範囲内だった。
テーマや感動が先に見えた。
雰囲気や設定は強いが、人物や因果関係が追いつかなかった。
といった場合が多いと考えられます。
2.0以下
単に刺さらなかっただけではなく、作品の設計思想や感情の作り方に反発した可能性が高いです。
作者が提示する価値観を受け入れられないというより、提示方法に納得できない。
人物、設定、技術、因果関係が、結論のために利用されていると感じる。
原作やシリーズが持っていた魅力を毀損している。
こうした場合に大幅な減点が生じています。
16.あなたの嗜好に見える、いくつかの「矛盾しない両立」
あなたのリストには、一見矛盾する組み合わせがあります。
しかし、実際には明確に両立しています。
構造好きだが、詩や繊細な文学も好き
説明できるものは精密に説明してほしい一方で、説明できないものを無理に説明してほしくないためです。
感動作も好きだが、「いい話にしよう感」を嫌う
感動を嫌うのではなく、感動の結論から逆算した人物操作を嫌うためです。
ランダム性の強いゲームが好きだが、ご都合主義を嫌う
ゲームのランダム性は、事前に提示されたルールの中で起こります。
ご都合主義は、作者が必要に応じてルールを変更します。
不確実性を嫌っているのではなく、恣意性を嫌っています。
ゲームでは反復を好むが、漫画や続編の反復を嫌う
ゲームの反復では、新しい判断が発生します。
物語の反復では、既知の感情や構造を再演される場合があります。
違いは、反復によって認識が更新されるかどうかです。
自由度の高いゲームも、制約の強いゲームも好き
自由の広さではなく、制約の中で自分の判断が有効であることを重視しているためです。
知的作品も娯楽作品も好き
思想性を必須としているわけではありません。
作品が何を目指しているかを理解し、それを誠実かつ高い精度で実行していれば評価できます。
17.嗜好上の強みと、評価上のバイアスになり得る点
これは人格評価ではなく、作品選好に伴う傾向として述べます。
強み
あなたは、題材の重要性と作品の完成度を分離して評価できます。
世評や受賞歴に引きずられにくいです。
感情的に好きな人物がいるかどうかだけでなく、その人物の行動が整合しているかを見ます。
作品の狙いを読み取るだけでなく、その狙いを成立させる手段が妥当かを見ます。
複数の媒体について、それぞれ固有の表現価値を区別できます。
表面的なジャンルより、構造や体験の質で作品を横断的に評価できます。
バイアスになり得る点
作者の作為への感度が高いため、意図的に人工性を前面へ出すメロドラマ、寓話、様式劇を過小評価する可能性があります。
局面の更新を重視するため、反復や停滞を通じて微細な差異を描く作品に、早く停滞感を覚える可能性があります。
強い中心概念を持つノンフィクションを好むため、概念の鮮やかさと、実証的な妥当性を分けて点検する必要があります。
人物の整合性を重視するため、現実の人間にある突発性や不合理さまで「作者都合」と判断する場合があり得ます。
要約不能性を重視する方向へ読書嗜好が移っているため、既知の論点を精密に更新する地味な専門書や新書を、表面的な新規性が弱いという理由で見逃す可能性があります。
これらは欠点というより、評価軸が強いことによって生じる選択的な盲点です。
18.統合した嗜好プロフィール
あなたの嗜好を一つの文章にまとめるなら、次のようになります。
強固で理解可能な構造の中で、人物やプレイヤーが自律的に選択し、その結果が不可逆的に蓄積される作品を好む。
作品には、現実の見方を更新する説明力か、要約できない人間経験のどちらかを求める。
両方を備えた作品には特に強く反応する。
感動、社会的主張、難解さ、映像美、自由度、知名度などは、それだけでは評価しない。
それらが人物、因果関係、媒体固有の形式と結びついているかを重視する。
さらに短くすれば、あなたの中心的な評価基準は、次の四語に集約できます。
構造。
自律。
不可逆性。
認識更新。
そして、その四つを壊す最大の減点要因は、次の三つです。
恣意性。
感情の強要。
更新のない反復。
これまでの全リストを通じて最も確度高く言えるのは、あなたが単に「面白い作品」を求めているのではなく、作品自身が提示した人物、ルール、問いに対して、最後まで誠実であることを求めているという点です。